口から始まる健康管理「オーラルフレイル」について
年齢を重ねるにつれ、私たちのからだは様々な変化を経験します。その中でも、お口の機能の衰えを気にしたことがありますか?
今回は見逃しやすいささいな口腔機能の衰え「オーラルフレイル」についてご紹介します。
オーラルフレイルとは?
オーラルフレイルは、”Oral”(口腔)と”Frail”(虚弱)を組み合わせた言葉で、「ささいな口腔機能の衰え」を指します。歯科医学の視点からは、歯や歯茎の健康だけでなく、噛む、飲み込む、話すといった日常生活の動作にも悪影響を及ぼすことがあります。
口腔機能の衰えがもたらす影響
はじめのうちは、むせる、食べこぼすなどの小さなトラブルからはじまります。それから徐々に、舌が動かしにくい、噛みづらいなどの口腔機能の低下が明らかになっていきます。
これが原因で栄養不足や体重減少などに繋がり、最終的には要介護になることもあります。
オーラルフレイルチェック
以下の内容に心当たりはありませんか?当てはまる数が多いほどオーラルフレイルの危険性が高まります。自分では気が付かないことも多いので、身近な人に聞いてみるのも良いでしょう。
- 食べこぼしが気になる
- むせることが多くなった
- 硬いものが噛みづらい
- 口臭が気になる
- 口の中が渇いている
- 舌の動きが悪く喋りづらい
- 食欲がない
- 自分の歯が少ない
オーラルフレイルを予防するためには?
1.かかりつけの歯科医院をもつ
かかりつけの歯科医院を持つことで、これまでの
お口の状態の記録から、ささいなお口のトラブルもすぐに発見することができます。また、慣れた環境や信頼できるスタッフに、小さなお口の悩みも気軽に相談しやすくなります。
2.適切な口腔ケアの習慣化
お口の中を清潔に保つとともに、口腔体操などを取り入れ、お口の機能を維持、改善しましょう。口腔体操の詳しい内容については、下記URLを参考にしてみてください。
「オーラルフレイル対策のための口腔体操」(公益社団法人 日本歯科医師会)
https://www.jda.or.jp/oral_flail/gymnastics/
3.バランスの取れた食事を心がける
栄養のバランスはもちろん、柔らかい食材や硬い食材のバランスも考えた食事を心がけましょう。噛み応えのある食材を取り入れたり、切り方や火を通す時間など調理方法を工夫して、よく噛んで食べることを心がけましょう。
まとめ
今回は見逃しやすいささいな口腔機能の衰え「オーラルフレイル」についてご紹介しました。
口腔機能の衰えは、全身の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。オーラルフレイルにならないためには、適切な口腔ケアと定期的な歯科検診が欠かせません。
当クリニックでは、歯を治すだけではなく、歯の健康管理を実施できる予防型歯科医院をめざし、充実した環境のもと、患者様一人ひとりのお口の状態に合わせた効果的な予防プログラムの提案に取り組んでいますので、お気軽にご相談下さい。
参考
公益社団法人 日本歯科医師会 「オーラルフレイル」
https://www.jda.or.jp/oral_frail/