歯を失う2大原因と対策
お口のトラブルと言えば虫歯と思われがちですが、歯を失う原因第1位は歯周病です。虫歯と歯周病は歯を失う2大原因です。
歯を失う2大原因の虫歯と歯周病の違い
虫歯とは
虫歯は、虫歯菌が酸を出し、歯そのものを溶かしてしまう病気です。進行すると歯髄(歯の神経)にまで達し、痛みを伴います。さらに虫歯が進行していくと、やがて歯根だけ残りますが、状態が悪いと抜歯になってしまう場合も珍しくありません。
ごく初期の虫歯であれば、歯の再石灰化を促すことで削らずに済むこともありますが、進行すると虫歯になった部分を削って取り除き、詰め物や被せ物をして治療をします。
歯は一度削ってしまうと、治療はできても元通りに戻すことはできません。また、削れば削るほど弱くなってしまいますので、予防が大切です。
歯周病とは
歯周病は、文字通り歯の周囲にある歯肉(歯茎)の病気です。歯垢 (プラーク)や 歯石の中の細菌が毒素を出して、歯を支えている歯茎や骨などの組織を破壊します。
初期段階では、痛みなどの自覚症状がほとんどないことが多いため、気が付かないうちに進行してしまいます。歯周病が進行するにつれて、歯茎が腫れて血や膿が出たり、口臭が発生したり、歯がグラグラしたり。放っておくとやがて歯が抜け落ちてしまいます。
歯周病は歯を失ってしまうだけでなく、全身の様々な疾患を引き起こす原因にもなります。
気が付いていないだけで、若くても歯周病になっている人は多く、30代以上の3人に2人が歯周病といわれています。
初期段階で、正しい歯磨きや歯科医院でのクリーニングなどを行うことにより回復に向かいます。しかし、ブラッシング指導や歯周基本治療を実施しても、歯肉の炎症や深い歯周ポケットが改善されない場合は、歯周外科治療を実施することもあります。
歯を失う2大原因を予防するには
これらを予防するには、ご自身のお口の状態を知り、効果的なケアを継続して行うことが大切です。
歯科医院は「歯が痛い」「歯がぐらつく」など症状が出てから治療をしに行くところから、予防をするところへと変わってきています。
当クリニックの歯科定期健診では、専門的な指導を受けた歯科衛生士による歯のクリーニングや歯磨き指導などを通して歯の健康を維持する予防歯科に取り組んでいます。またお口の状態の確認をすることで、小さな変化にもいち早く気が付くことができます。
さらにご自身で歯磨きなどのセルフケアをしっかりと行い、これらのケアを継続することがお口を健康に保つことに繋がるでしょう。
参考
公益財団法人 8020推進財団「第2回 永久歯の抜歯原因調査」
https://www.8020zaidan.or.jp/databank/eikyushi.html
システマ
https://systema.lion.co.jp/shishubyo/about/kokuminbyo.htm