歯根膜って何?噛む力と食感を守る小さな組織の大切な役割

皆さんは、食べ物の「カリッ」「サクッ」といった食感をどのように感じているかご存じでしょうか。実はその感覚の多くは、歯の根元にある「歯根膜」という非常に薄い組織によって感じ取られています。厚さはわずか0.2〜0.3ミリほどですが、この歯根膜は食事の楽しみやお口の健康を支えるために欠かせない存在です。

今回は、歯根膜の働きと、守るためのポイント、当クリニックの治療についてご紹介します。

歯根膜

 

歯根膜の主な3つの役割

1.歯を支える“つなぎ目”の役割

歯根膜は歯根と歯槽骨を繊維状の組織で結び付け、歯がしっかりと安定するように働きます。これがあることで、私たちは硬い物も安心して噛むことができます。

 

2.噛む力を和らげるクッション機能

食事や食いしばりの際、歯には大きな力がかかります。歯根膜はその衝撃を吸収し、歯や周囲の組織を守ります。もし歯根膜がなければ、硬い食べ物を噛んだ瞬間に歯が欠けたり、骨に直接ダメージが伝わってしまうでしょう。

 

3.感覚を伝えるセンサー

歯根膜には感覚神経が多く通っており、食べ物の硬さや異物の存在を瞬時に感じ取ります。このおかげで、誤って硬い異物を噛んだときにもすぐ気づき、ケガを防ぐことができます。

 

歯根膜は失うと元に戻らない

歯周病や虫歯などで歯を失うと、歯根膜も同時に失われます。入れ歯やインプラントで噛む機能を補うことはできますが、歯根膜そのものを再生させることはできません。つまり、天然の歯に備わった感覚やクッション性は二度と取り戻せないのです。

 

歯根膜を守るためにできること

歯磨き

歯根膜を守るという事は歯を守ること。毎日の丁寧なブラッシング、定期的な歯科検診やクリーニングなど基本のケアを習慣化することで、歯だけでなく歯根膜も長く健康に保つことができます。

 

当院の治療

口腔内のチェック

噛み心地や機能性など、ご自身の歯に勝るものはありません。そのため当院では、できる限り患者様ご自身の歯を残すことを重視し、予防歯科や歯を削る・抜くといった処置を最小限に抑えるミニマルインターベンションを取り入れています。

もちろん、疾病の進行度合いによっては、必ずしも歯や神経を残せるとは限りません。そういった場合は、なぜ削らないといけないのか、どうして神経をとる必要があるのか、歯を抜かないとどんな不都合が生じるのかをしっかりと説明して、同意を得た上で処置いたします。

また、歯医者が苦手な方にも安心して通っていただけるよう、痛みに配慮した治療も行っています。

 

まとめ

今回は、歯根膜の働きと、守るためのポイント、当クリニックの治療についてご紹介しました。

歯根膜は小さな存在ですが、噛む力や食感の楽しみを支える大切な組織です。一度失えば元には戻らないため、日頃のケアと定期的な検診で守ることが何より重要です。健康な歯と歯根膜を保ち、いつまでも美味しく、快適に食事を楽しみましょう。

Leave a Comment

CAPTCHA