歯磨きなどのセルフケアをしっかりと行えば、歯科医院でのプロフェッショナルケア(クリーニング)を受ける必要はないと考えている方がいるかもしれません。しかし、ご自身で実施するセルフケアだけでは、上記のグラフが示すようにお口の健康を保つことはできないのです。
口腔内の2大疾患である虫歯や歯周病の直接的な原因はプラーク(細菌の塊)です。プラークは、歯磨きだけでは効果的に除去することができません。
プラークが問題なのは、薬剤や殺菌剤などの外敵から身を守るためにバリア機能が働いていることです。このバリアを壊さない限り、虫歯菌や歯周病菌などに効果的な攻撃を加えることができません。
このバリアを破壊するためには、機械的な歯面研磨(PMTC)でクリーニングすることが必要不可欠です。しかし、プラークは一旦除去しても3ヶ月程度で再び形成されます。
つまり3ヶ月に1度の定期的な歯のクリーニングが必要になるのです。もちろん、お口の中の環境が良好であれば4~6ヶ月に1回程度で良い場合もあります。逆に状態が悪ければ、1ヶ月に1回程度必要な場合もあります。基本的には、お口の状態が良好な人ほど来院間隔は長く、悪くなる可能性が高いと思われる人ほど来院間隔は短くなります。
当クリニックには、患者様それぞれにメンテナンス用の診療記録があります。治療した歯やチェックが必要な箇所(ごく初期状態の虫歯や歯軋り、食いしばりの状況など)を記録し、来院時に確認しています。そういった過去の記録を参考にして、個々の患者様に最適な予防プログラムを提案できることが、同じ歯科医院に通い続けていただくことの最大のメリットです。
治療が終了した際や歯のクリーニングに来ていただいた際、その場で「次の受診日」を予約していただくことが可能です。また患者様皆さんに「定期検診のお知らせ」をハガキやメールで送らせていただき、すぐには次の予定が立たない方や、予約した日を忘れてしまいそうな方にも、スムーズに受診していただけるよう心がけています。
口腔内の
汚れを確認
フッ素入り
ペーストを塗布
歯間や歯面を
クリーニング
歯面をつるつるに
仕上げ磨き
フッ素塗布で
歯質を強化
プロケアである歯のクリーニングを3か月に1回程度受けても、それ以外の日常生活でのセルフケアを怠れば、虫歯や歯周病が再発するリスクは高く、口腔内状況が悪化して、やがては歯を失ってしまうことも十分にあります。したがって、患者様の予防に対する意識を高め、普段から予防の習慣をつけていただくことも歯科衛生士の大切な役割だと考えています。
当クリニックでは、口腔内検査の結果、歯科医師の診断をもとに、患者様のお口の中の状態を分析し、歯科衛生士がお一人ひとりに最適なセルフケアの計画を立て、健康な歯とお口を維持していただけるようにサポートしています。
ご自身で無理なく効果的なセルフケアが実施できるように、歯ブラシの指導やセルフケアグッズ、生活習慣などのアドバイスを行います。また検査結果の状況から、虫歯や歯周病のリスクを判断して最適な間隔での歯のクリーニング(プロフェッショナルケア)をご提案します。